1 室内への用途をお考えの方へ
Q 化学物質過敏症ですが、エコボロンは大丈夫ですか?
A エコボロンには揮発する成分が含まれていません。ホルムアルデヒドの揮発試験も行なっています。
Q 赤ちゃんがいますが大丈夫ですか?
A 大丈夫です。エコボロンは揮発蒸発しませんから、赤ちゃんには何の影響も与えません。
ただし、赤ちゃんが舐めたり噛んだりするような木製のおもちゃやベッドには使用を控えてください。
Q ペットに害はありませんか?
A 犬や猫などのほ乳類に対しての安全性は、非常に高いものです。赤ちゃん同様にお考えください。ペットが口にするもの(おもちゃ等)への使用はお控えください。
Q 肌に直接ついても大丈夫ですか?
A 大丈夫です。エコボロンに含まれる水とホウ酸以外の添加剤は、食品原料や化粧品原料に使われているものです。
Q 畳のカビ防止に液体のエコボロンを浸透させることで腐ることはありませんか?
A 上から多めに噴霧する程度であれば大丈夫ですが、湿ったままにはせず、風通しを良くして乾燥させてください。エコボロンには菌の繁殖を抑える効果がありますので、腐朽防止になります。
Q 室内の使用で、臭いや色は残りますか?
A エコボロンは無色・透明の液体です。ほぼ無臭で、乾けば完全に無臭になります。無垢の木にはかすかな水跡が残りますが、絞った雑巾で拭いていて抱くと、見えなくなる程度です。
Q 靴の臭い防止に効果がありますか?
A 靴が臭くなる原因に、大量に繁殖した菌があります。エコボロンは抗菌効果がありますので、靴の臭い防止にも使用でき、次に洗うまで効果は保たれます。
Q 間違って飲んでしまっても大丈夫ですか?
A エコボロンには間違って飲まないよう、苦味成分が入っています。少量口に入る程度であればまったく問題ありませんが、万が一、コップ1杯程度の量を一気に飲み込んでしまったような場合には、医師に相談してください。
Q 防火対策として使えるそうですが、実際どのぐらいの効果があるのですか?
A 自分から積極的に燃えにくくなるという程度です。完全に燃えなくなるという効果はありません。火災の際に、火の手がまわる速度が軽減できます。
Q ゴキブリもいなくなりますか?
A 効果のお約束はできません。見かけなくなったという声がある程度です。
そもそもゴキブリは清掃の度合いによって大きく左右されるとお考えください。
Q すべての昆虫に効果があるといいますが、ハエや蚊はどうですか?
A 効果はありません。ホウ酸は空気中には漂わないため、直接触れることがない昆虫には効果がありません。木材に食害を起こす昆虫類に対しての効果があります。
Q 庭の花や木の防虫剤として使用できますか?
A 使用できません。ホウ酸の濃度が高いため、庭木に噴霧すると枯れてしまうことがあります。
津波で海水を浴びた草木と同じです。海水は3・5%の塩分濃度で、エコボロンは15%の「ホウ酸塩濃度」、「ホウ酸濃度」では、約18%です。
Q シロアリやゴキブリに直接かけるとどうなりますか?
A エコボロンを直接噴霧すれば、短期間で弱って死んでいくものと思われます。しかし、即効性はありませんから、駆除剤としての性能は期待しないでください。
Q 室内のカビ対策に使用できますか?
A 軽減できます。あらかじめカビの発生しそうなところに噴霧してください。
壁質によっては、かすかなシミを残す場合がありますので、見えにくい箇所で試験を行なってから施工してください。
Q エコボロンでカビが消えますか?
A 一旦発生したカビは、市販のカビ処理剤で取り除いた後に、エコボロンを予防用としてご利用ください。
Q お風呂場のカビ防止になりますか?
A ユニットバスの場合は、ホウ酸が浸透しないので、カビ防止には効果がありません。
Q 家具に使用することはできますか?
A 塗装されていない無垢の木部などにご利用いただけます。
2 建築プランを立案中の方へ
Q エコボロンの施工はシロアリ保証の対象になりますか?
A 保証に必要な条件を満たして頂ければ、お申し込みいただく事が可能です。メーカー認定施工店がエコボロンPROによる処理を新築住宅に実施した場合、最長で15年間の長期保証に対応します。費用は1年あたり500円程度で、別途、定期点検費用が必要です。既築の場合、5年間の保証が可能です。詳細は施工業者さんや工務店さんにお問合せください。
Q 保証の申込に必要な条件を教えて下さい。
A 主な条件として、ベタ基礎であること、基礎外断熱材を使用する場合は防蟻性能が第三者機関で確認されたものを使用すること、浴室がユニットバスであること、などが原則となっています。しかし、シロアリに対して一定の性能があることを確認できれば、例外的に認められる物件・工法もあります。
Q 保証はどのようなトラブルに適用されますか?
A エコボロンを塗った木部にヤマトシロアリかイエシロアリによる食害が発生した場合が対象となります。シロアリ保険はどの薬剤でも、どの保険会社であっても、この2種類のシロアリのみが対象となっていますのでご注意ください。
Q 保証期間が切れたら、延長はできるのですか?
A 保証期間が切れる前にエコボロンを再施工していただくことで、延長可能です。保証期間が切れた後に再施工した場合は、既築物件の保証として再スタートする形になりますので、条件や費用などが若干変わります。
Q 保証書は誰に対して発行されるのですか?
A ㈱エコパウダーから施工業者さんに発行されます。施工業者さんがシロアリの被害をリフォームなどによって修理する際の修復費用(上限1000万円 免責3万円)が、施工業者さんに支払われます。
Q 今までにエコボロンで施工した家がシロアリ被害にあったことはありますか?
A 施工実績は数万棟以上ありますが、1件の被害も報告されていません。
Q 保証期間が切れても効果は持続するのですか?
A 持続します。雨にあたらず、極端な結露がない場合、効果は長期的に持続します。
Q 工事費用はどのくらいですか?
A 工務店さんにお尋ねください。
Q ねずみの駆除はできますか?
A できません。エコボロンは哺乳動物には効果がありません。
Q ねずみが逆に増えることはありませんか?
A エコボロンが原因で増えることはありません。
Q 床下浸水した場合は?
A 木部まで浸水した際には、効果が薄れる可能性があります。再施工をご検討ください。
Q 土壌処理はできますか?
A エコボロンは土壌処理用途の薬剤ではありませんので、効果のお約束ができません。
Q アメリカカンザイシロアリにも効果がありますか?
A あります。ホウ酸処理は諸外国では数十年にもわたり、その効果は実証されています。
Q キクイムシやヒラタキクイムシなどにも効果がありますか?
A あります。木材に食害を起こす、すべての昆虫から家を守ります。
Q 既築でもエコボロンでアメリカカンザイシロアリ対策ができますか?
A 残念ながら、完全な予防は困難です。雨が掛からなくて羽アリが入りそうな箇所に、エコボロンを散布しておくと、軽減できる可能性はあります。
屋根裏、軒下などの木部が露出した箇所、通気口の近辺、窓枠の周辺などです。
また、屋根裏などにホウ酸を粉のまま散布しておくことも有効です。
Q どうしてこんなに良いものが普及してこなかったのですか?
A 日本では、ホウ酸が水に弱いことに焦点があたり、合成殺虫成分中心の風潮が根強くありました。エコボロンPROが日本木材保存協会の認定を取得したのが2011年9月ですから、認知度が高まったのはつい最近のことです。
やがては、諸外国のように国内でも主流になることを願っています。
Q 小学校などにも使用するべきだと思いますが。
A そのように願っています。文部科学省には、学校建築にもホウ酸を使用することを検討していただきたいものです。担当する設計事務所が図面にエコボロンを使うよう記載すると、木材保存剤として、エコボロンが採用されます。
5年毎の木部の再施工が不要ですし、木材の劣化対策にもなりますので、結果的に公共予算を大幅に削減できると思われます。
設計事務所さんに知り合いがいらっしゃいましたら、是非この書籍をおわたしください。
Q 建売住宅の購入を考えていますが、エコボロンは使用されていますか?
A 是非、ご購入の際にお問い合わせください。残念ながら確率は相当低いと思われます。
今のところホウ酸処理は施主さんが希望されたときに使われるか、健康住宅を推進される一部の先進的な建築会社さんでのみ採用されているものです。
Q 自分でも施工ができますか?
A 一般商品のエコボロンエースでの施工が可能です。製品に施工仕様書が入っていますので、よくお読みの上、施工してください。
ホームセンターで販売されている、園芸用の噴霧器で施工できます。
Q 近所の施工業者を教えてください。
A ㈱エコパウダーにお問い合わせください。
親切に対応してくださる施工業者をご紹介させていただきます。
Q 新築にエコボロンを使いたいのですが、建築業者に説明する自信がありません。
A まずはこの書籍をおわたしください。データ、ホウ酸の原理から施工する際の認定制度など、詳細の説明を記載しております。
Q 家の寿命がどのくらい延びるのですか?
A 木材の寿命は大幅に伸びると考えていますが、家の寿命は工法にも由来します。
長寿命住宅をお考えの場合、しっかりとした工法をお選びください。
Q 皆がエコボロンを使うことで地球環境に影響はありませんか?
A まったく問題がありません。エコボロンは自然環境に多量に放出するものではありません。ハワイ州などではホウ酸処理材のシェアが90%を超えていますが、環境問題は発生していません。他の地域でも同様です。
3 施工業者の方へ
Q 認定は取れていますか?
A エコボロンPROは、日本木材保存協会の認定を取得しています。
認定番号はA―5430です。コラム(138ページ)に認定書も掲載しております。
Q 自社でも施工ができるのですか?
A エコボロンPROは、認定施工店として登録していただくことで、自社施工ができます。
登録には、会社が認定施工店に登録することと、施工者が認定施工士に登録する二つの登録が必要です。
Q 認定施工店になるのに費用はかかりますか?
A 一人5000円(3年更新)が必要です。
Q どのような講習が必要ですか?
A インターネットのイーラーニングシステムによる3時間程度の講習を受け、
簡単なテストがあります。
Q スタッフの誰が施工しても良いのですか?
A 認定施工士として登録していただければ大丈夫です。
Q 施工時間はどのくらい掛かりますか?
A 平均的な住宅の場合、基礎天端から高さ1メートルまでの噴霧の場合、1人で半日程度です。
屋根裏までのすべての木部の場合、1人で1〜2日程度です。
工事の進み具合により、段階的に2~3回に分けて施工することが一般的です。
Q どのくらいの分量が必要ですか?
A 基本の施工である、基礎天端から高さ1メートルまでの施工に必要な量は、1棟で平均2〜3缶程度です。施工面積1平米あたりに300ミリリットル噴霧します。1缶( 19キログラム入り)の施工面積は約60平方メートルになります。塗り忘れ防止のため、1平方メートルあたりに150ミリリットルの噴霧を2回することが推奨されています。
エコボロンPROは1度塗り(1平方メートルあたりに150ミリリットル)でも効果がありますが、シロアリ保証、フラット35S、劣化対策等級3などへの適応には、2度塗り(1平米あたりに300ミリリットル)が必要です。
Q 屋根裏までのすべての木部に施工する場合、どのくらいの材料が必要ですか?
A 家丸ごと処理の場合、平均で8~ 10缶程度の量が必要です。
Q 施工の際の服装で気をつけることは?
A 建築作業現場ですので、安全な服装をお選びください。
仕様書ではマスク・メガネ・手袋を基本としてご紹介しております。
既築の場合、ホコリ除けのマスクは必要です。
Q 施工中、目や口に入っても大丈夫ですか?
A 問題ありません。目に入ってもしみることはほとんどありません。誤飲防止用に苦味成分が含まれていますので、口に入ると苦みを感じます。
エコボロンはホウ酸以外の成分として、水と食品添加物、化粧品成分のみを使用していますので、皮膚についた場合でも、そのまま放置していただいても問題ありません。
施工者が化学物質過敏症の方の場合のみご配慮ください。
Q 他社のホウ酸系商品との違いはなんですか?
A エコボロンは現場ですぐさま使用できるように配合済みの商品です。
また、その配合は、高濃度、安全性、浸透性、使いやすさについて長年の研究成果が反映され、実際の製品を使った公的機関での優良な試験データを豊富に持っています。また、日本木材保存協会の認定を取得しています。
忙しい現場でも施工の段取りが容易で、部分施工も手軽にできるところが特長です。
Q 施工後、雨にあたっても大丈夫ですか?
A エコボロンには、余裕を見たホウ酸塩の濃度がありますが、施工後は雨に濡らさない、ということが、住宅性能表示制度などで、認定薬剤として評価されるための条件になっています。マスカー等で雨濡れの対策をしてください。また、エコボロンの処理後にトップコートを使用して撥水させる方法もあります。
もし雨に濡れた場合には、塗れた部位を再施工してください。
Q 工事を依頼できる業者はいますか?
A ㈱エコパウダーにお問い合わせください。お近くの施工業者をご紹介いたします。
Q 保証の登録は誰がするのですか?
A 認定施工店が行ないます。認定施工店登録の際の講習で、保証を利用する方法や条件など、詳しい説明があります。
毎月末締めで、翌月の10日に保証登録を行います。
Q 保証の延長は可能ですか?
A 5年保証、10年保証のいずれも、再施工をすることで5年間の延長は可能です。
Q 点検はどのようにすればよいですか?
A 点検報告用の書類があります。書類のチェックシートにしたがって、家の外周と床下を確認し、施主様にヒアリングを行なってください。
5年保証は2年後の点検、10年保証は2・5年後の点検です。
Q 点検実施日には、日程の幅はありますか?
A 点検は施工日から2年後、5年後に行われ、それぞれ前後3カ月の猶予が
あります。
また、点検日は施工日が軸になっていますが、引き渡し日に軸を変えることもできます。 ご希望の際は㈱エコパウダーに申請をしてください。
Q 防蟻試験のデータは入手できますか?
A できます。㈱エコパウダーにお問い合わせください。
Q フラット35Sや住宅性能表示・劣化対策等級への手続きに必要なものは?
A 認定証や施工仕様書などのコピーが必要です。詳しくは http://www.arura-j.com/エコボロンとは/ をご覧ください。
Q 既にシロアリの被害がありますが、エコボロンで駆除できますか?
A エコボロンは予防に優れた商品ですが、積極的な殺虫作用を持ち合わせていません。軽度の被害であれば、エコボロンのみでも可能な場合がありますが、通常はその部分に合成殺虫剤を使うか、リフォームで取り替えることをお勧めしております。
Q その場合、合成殺虫剤の使用には賛成ですか?
A ピンポイントで必要最小限の合成殺虫剤を使うことは、合理的な駆除方法です。シロアリ被害のある箇所に薬剤を使用することは、アメリカでも許可されています。
合成殺虫剤はその点で最も効果に優れており、マイホームを守るためには必要であるという判断からでしょう。
ただし、ご家族や近隣に化学物質過敏症の方がいらっしゃる場合、慎重に判断してください。
Q 既築で、床下施工のできない部分はどうすればよいですか?
A 施工できない部分については、予防効果を持たせることはできません。
土から上がる、ヤマトシロアリとイエシロアリについては、その通り道になりそうな部位に、可能な限り噴霧してください。
Q 色をつけて施工したことがわかるようにできますか?
A 別売の専用染料があります。うっすらと緑色に着色されます。また、食紅など、水溶性の着色剤であれば着色可能です。
Q 材料が残った場合、次の物件でも使えますか?
A 着色していないエコボロンであれば、密封保管しておけば問題なく使えます。保管中に腐ることもありません。低温では結晶化が始まりますので、冬場は室内に保管してください。また、着色剤を入れた場合は、その日中にお使いください。
スプレーノズルは、その日の作業が終了した際に流水で洗浄してください。中でホウ酸が固まった場合は、お湯につけていただくと、再び使えるようになります。
Q リフォームでも使用できますか?
A もちろん使用できます。露出した木部のすべてにエコボロンを噴霧してください。
Q 噴霧と刷毛塗りどちらでもいけますか?
A どちらでも対応が可能です。
Q どのくらいで乾きますか?
A 天気にもよりますが、晴れの日であれば、2~3時間程度で施工跡が見えなくなります。
Q ウッドデッキなど雨掛り部分への、使用法を教えてください。
A エコボロンを十分に浸透させた後、撥水効果を持つトップコートか、ペンキ等をご使用ください。
Q 壁の中のカビも抑えられますか?
A エコボロンを噴霧した木材表面のカビは軽減できます。しかし、断熱材など施工しにくい建材もありますし、極端な結露が発生する壁の中には、結露の水分でホウ酸が流れる可能性があります。結露を考慮した建築工法であることを確認してください。
Q 床下換気工法をしますが、エコボロンは使えますか?
A まったく問題なく使えます。ホウ酸は揮発しません。エコボロンは添加剤まで安全性が考慮されています。
Q 室内に見える柱にも使えますか?
A 使えますが、僅かな跡を残します。柱や床の一部のみの施工ですと跡が目立ってしまいますが、全体に施工された場合、施工跡は目立たなくなります。また、雑巾を絞って表面を吹いていただいても、施工跡は目立たなくなります。
Q 神社仏閣にも使用できますか?
A 是非おつかいください。雨のあたらない箇所は、一度の施工で長期の効果が保てます。
Q 重要文化財にも使用できますか?
A 使用可能です。古木については、犬山寂光院(薬医門、本堂、随求堂)でキクイムシ等の被害に対し使用されています。
全体に満遍なく施工すれば、施工跡を残しません。
古木にしっかりと浸透したエコボロンが今日も重要文化財を守り続けています。
また、熊本城内の本丸御殿と他4か所の文化財でも大規模なエコボロンの施工をしております。
Q 神社やお寺の門や塀などのカビは完全に予防できるのですか?
A ホウ酸は大抵のカビに効果がありますが、カビには種類が多く、ホウ酸では予防できないカビも一部確認されています。また、使用環境によっても異なりますので、すべてを予防できるとは言い切れません。
Q 布基礎への施工で注意点は?
A 基礎の立ち上がり表面のコンクリートに、重点的にご使用ください。
Q エコボロンで施工した後、その上の塗装に影響はありますか?
A 今のところ、どのような塗装でも問題なくご使用いただいておりますが、塗装にも様々な種類がありますので、端材などで一度お試しになることをおすすめしています。
Q 塗装の上からでも使用できますか?
A 塗装やワックスの上からの場合、木部に浸透しないことがあります。
無垢の状態でエコボロンをお使いいただき、その後に塗装やワックスをご使用ください。
Q ヒノキ風呂の木材に使用しても防腐効果がありますか?
A 浴槽内は頻繁に水が掛かるため、ホウ酸の流出が比較的早くなるとおもわれます。
190ページでご紹介させていただいた、シリコンのトップコートをお試しください。
シリコンが浸透するため、見た目には無垢の質感が保てるものです。
それでも通常の床下などとくらべ、効果の持続性は落ちると思いますが、何もしないよりは大幅に腐食の速度は遅くなると考えております。定期的にご使用になるのがよいかと思います。
Q 施主さんに説明する際の良い資料はありますか?
A 本書をご利用ください。専門的な内容にも触れていますが、「コラム」と「Q&A」だけでも大枠のご理解はいただけるかと存じます。
エコボロンの環境影響について
ホウ酸を主原料とした木材保存剤「エコボロン」散布時に、土壌に落下する少量のホウ酸と、環境省が定める「土壌汚染対策法」との関係を、京都府の環境省に電話で問い合わせた内容をQ&Aの形式で下記にまとめます。
Q:1
建築物の床下・構造材などの木部に、防腐・防蟻剤として使用する「ホウ酸」について、使用用途は木材に限定しますが、散布中土壌に少量落下します。
環境省の定める土壌汚染対策法との関係性を説明してください。
A:土壌汚染対策法は、
有害物質使用特定施設の使用の廃止時【第三条】、
一定規模以上(3,000平米)以上の、土地の形質の変更届出の際に、土壌汚染のおそれがあると、京都市長がみとめるとき【第四条】
土壌汚染により、健康被害が生ずる恐れがあると京都市長が認めるとき【第五条】
に調査を行い、指導されるものです。
上記の建築物に当てはまらない場合、土壌汚染対策法にすぐさま関連するものはありません。
Q:2
土壌汚染対策法にある規制項目にホウ素が含まれ、その基準値は1リットル中に1mg以下とされていますが、通常の防蟻施工では、施工中に土壌に落下するホウ酸が高濃度であるため、少量の落下でも基準値を上回る可能性があります。
この場合、土壌汚染対策法に抵触し、法の裁きをうけるのですか?
A:土壌汚染対策法には罰則はありません。
しかし、建物の解体なので、その土地の土を他の場所に移動する際、基準項目が基準値以上あった場合、残土処理業者では受け入れられず、特別産業廃棄物として指定業者に持ち込む必要があります。
つまり持ち込み先が、残土処理業者から、特別産業廃棄物業者へとかわります。
また、その際環境課への報告義務はありませんが、任意で報告があった場合、環境課も適切な処理への指導に参入します。
Q:3
建物の床下にある土壌に含有するホウ酸濃度が上がり、そのまま放置することに問題はありますか?
A:土壌汚染防止法としては、その段階では問題はありません。高濃度のホウ酸がサンプリングで検出されたという報告があれば、調査対象地域に登録されます。
また、水質汚染防止法に抵触するようであれば問題があります。地下水水脈にホウ酸が到達し、井戸水にホウ酸が混入するようであれば問題です。
しかし、建築物の木部処理という用途では、雨のかからない建家の中ですので、その限りではありません。
Q:4
1リットル中に1mg以下という基準値は、先進諸外国ニュージーランドと比較するとの2000倍の厳しさに当たります。
何故、日本ではこのような厳しい値が設定されているのですか?
A 環境省が土壌汚染対策法や川や湖への排出基準を設けている理由は、工場から常時大量に排出する物質を対象としているためです。
ホウ酸は、温泉にも大量に含まれ、農業でも肥料として年間3000t程度土中にまかれているものではありますが、化学工場では、それらと比較にならない程のホウ酸を使用することがあります。
例えば、アルミ電解コンデンサーの工場では洗浄などに使用したホウ酸が、高濃度の廃液として排出されます。
通常は、ほう素等回収装置を設置し回収しますが、排出基準が設けられていない場合、工場はコストのかからない方法として、そのまま河川に流してしまいます。
これが環境省の排出基準が必要な事例です。
日本で輸入されるホウ酸原料は、目薬などの医薬品、農業、建築用木材保存剤などにも使用されますが、主には工業製品としての用途が多く、建築用は全体の1%程度にとどまります。
環境省の基準は、主に消費される工業用としての用途に対し設定されていながら、目的の範囲が明記されていないため、 矛盾や混乱が出ているようです。
木材保存剤としてのホウ酸の使用は、管理された個人の敷地内であり、木材保存剤として使用しているものです。また、仕様書上に雨に当たらない場所とされているため、環境省が定める基準項目の本来の目的とは、全く抵触しないものです
ホウ酸の致死量について
エコボロンにはホウ酸濃度で18%、ホウ酸塩濃度で15%のホウ酸が含まれています。
ホウ酸は自然界のどこにでもある鉱物で、土や野菜にも含まれているものです。
しかしながら、人の体は単一のものを常に撮り続けると過剰摂取になり、やがては致死量という話になってきます。
食塩にも致死量があり、体重60Kgの人で約200gがそれに当たりますが、ホウ酸の致死量は食塩と同等とされています。
エコボロンは、主に壁の中や床下などの構造材に噴霧するもので、大半は木材の内部にしみ込みます。また、ホウ酸は鉱物ですので、施工後空気中に揮発したり漂うことはありませんので、使用したエコボロンが住民の体内に入ることはありません。
アルミサッシに使用されるアルミニウムはアルツハイマーの原因物質として知られるようになりました。汚染された河川からの魚介類に蓄積するアルミニウムや、アルミニウムを使用した鍋などから溶出すものは、微量であっても健康被害を与える物質として注意が必要です。
しかしながら、アルミサッシに使われているアルミニウムを、これらの事例に混同させ、アルミサッシを危険物質として評価するのは論点が違います。
世の中にはこのようなすり替えの話が多いので、見極めるための最低限の知識が必要です。
また、エコボロンには施工者の誤飲防止を目的として、化粧品に使用されるの苦味成分が少量含まれています。間違っても飲むこともありません。
以上のことから、ホウ酸の致死量の話とエコボロンの安全性とは無関係なものといえます。